幻のお茶「政所茶」の産地へドライブしてきました
- 2024.04.30
-
- コラム
こんにちは、京都の格安レンタカー会社、ベストレンタカーです。
そろそろ新茶の時期です。おいしいお茶ができるのを心待ちにしている人もいるかもしれません。
私(ブログ担当スタッフ)もそのひとりなのですが、ある日、お茶好きな友人からこんなことを言われました。
「政所茶(まんどころちゃ)って知ってる?」
初めて聞く名前だったのですが、滋賀県と三重県の県境にある滋賀県東近江市政所町で栽培されている幻のお茶なんだとか。
地図を見ると、距離的にもちょっとしたドライブによさそうな感じです。
ということで、八十八夜を控えたある日、実際に政所茶を探しに行ってきました!今回は写真多めで、政所茶の里を訪れたお話をしようと思います。
「政所茶」ってどんなお茶?
まずは出発前に、政所茶について調べてみました。
政所茶の産地である政所町は、滋賀県と三重県の県境にある小さな町です。鈴鹿山脈の中にあり、豊かな自然がある地域でもあります。
アクセスは国道421号線のみで、この国道もいわゆる「酷道」ではないものの、カーブが多く運転するにはちょっと緊張するルートです。
このような地域で、室町時代から変わらない方法で栽培され続けてきたお茶が「政所茶」です。栽培には今でも化学肥料を使わず、完全有機・無農薬栽培されているそうです。
石田三成の逸話「三献茶」また、政所茶だった
歴史好きな人なら、石田三成が豊臣秀吉に召し抱えられるきっかけになった「三献茶」の逸話をご存じかもしれません。
簡単に説明すると、お茶を飲みたがった秀吉に、1杯目はまず喉の渇きを癒やせるようぬるめのお茶を大きな茶碗にたっぷりと、2杯目はお茶の味を楽しめるようやや熱めのお茶を茶碗の半分程度に、3杯めはさらに味わえるよう熱めのお茶を小さめの茶碗に少しだけ入れた出したという話です。
秀吉はこの配慮に感心し、三成を城に連れて帰り、取り立てることにしたのだそう。
このときに三成が秀吉に出したお茶が「政所茶」だと言われています。
かつては「宇治は茶所、茶は政所」と歌われるほど有名なお茶だったとか。幕府や朝廷にも献上されていたということからも、そのクオリティが想像できます。
京都に住んでいると、お茶と言えば宇治茶を連想しがちですが、それはちょっと思い上がりだったのかもしれないなあ……と反省することしきりです。
まずは道の駅「奥永源寺渓流の里」へ!
いろいろ調べているうちにちょうど晴れの日がきたので、実際にドライブに出ることにしました。
まず向かったのは、政所町の近くにある道の駅「奥永源寺渓流の里」です。
奥永源寺渓流の里は、廃校を利用した道の駅です。ホームページによると、2003(平成15)年に閉校した旧政所中学校の校舎を再利用しているそうで、道の駅機能のほか、市役所の出張所や診療所などの行政機能も兼ね備えているとのこと。
京都からの道順は比較的単純です。ただし、国道421号線は前述のとおり、カーブなども多い道で一部離合が困難な箇所もあります。待避場所はあるので、対向車と譲り合う、後続車が迫ってきたら道を譲るなどして安全運転を心がけましょう。
京都を出るのが遅くなったので、道の駅に到着したのはお昼頃。近くにある永源寺ダムにちなんだダムカレーやジビエを使った鹿カレーもあるようでしたが、私は岩魚を使ったおそば「岩魚そば」をいただきました。
骨までやわらかく炊いた岩魚はとても美味しかったです。おすすめです!
物販コーナーでは政所茶のほか、すぐ隣の三重県いなべ市の名産品なども販売されています。
また、川魚の佃煮や地元産天然はちみつ、木工品、ガラス細工などのちょっとしたお土産もあり、こじんまりしたお店ながら品揃えは充実。
私は政所茶のティーバッグと、滋賀に来たら必ず湖魚のつくだにを購入しました。
道の駅「奥永源寺渓流の里」の住所・電話番号・営業時間
公式サイト:https://okueigenji-keiryunosato.com/
住所:滋賀県東近江市蓼畑町510
電話番号:0748-29-0428
営業時間:4~11月 9:00~17:30、12~3月 9:00~16:30
休館日:毎週火曜日(火曜日が祝祭日の場合は翌水曜日、GW・11月は休まず営業)、年末年始(12月29日~1月3日)
京都市街から「奥永源寺渓流の里」へのアクセス
名神高速道路を名古屋方面へ。八日市ICで一般道に降り、八日市IC交差点を右折し、国道421号線(八風街道)を三重県方面に道なりに走る。京都からの所要時間は約1時間30分。
政所茶の茶畑へ
「奥永源寺渓流の里」で買い物したときに、レジの人に「政所茶の茶畑を見てみたいのですが、この近くですか?」と聞いてみたところ、道順とクルマを停められる場所を教えてくれました。
道の駅と茶畑は、クルマでは5分もかからない程度の距離。交通量は少なく通行人もほとんどいないのですが、集落を通り抜けるので、運転には注意が必要です。
教えてもらった場所にクルマを停めて、茶畑へ向かいます。
渓流に沿って広がる茶畑は、宇治などの大規模な茶畑とはまた異なる風情。民家の屋根にはけっこうな勾配がついていて、冬になると積雪量が多いのだろうなということが伺えます。
集落には鈴鹿10座と呼ばれる鈴鹿山脈の10の山、そのうちのひとつ「日本コバ」の登山口があるようで、ちょうど下山してきたらしくトレッキング姿の人たちとすれ違いました。
とてもいい雰囲気の集落ですが、あくまでただの、観光地化されていない集落です。一応飲食店らしきものはありますが、営業しているかどうかはよくわかりませんでした。散策するときは静かに、また、写真を撮るのも控えたほうがいいかもしれませんね。
のんびりと散策していると、お茶の木の手入れをしている人の姿も見られました。茶畑周辺はゆっくり歩いても10~20分もあれば十分回れます。
最後に、青紅葉の古刹にお参り!
政所の茶畑を散策したあと、まだ時間があったので帰りに永源寺に寄ることにしました。
永源寺は臨済宗永源寺派の本山です。開山は1361(康安元)年なので、1397年に開山した金閣寺より古いお寺ということになりますね。
境内には紅葉が多くあり、秋は紅葉の名所として多くの参拝客が訪れます。とはいえ、訪れたのは春の平日、夕方に近い時間だったので、参拝客はほとんどいませんでした。
瑞々しい青紅葉を、ほとんど独り占めです。
山の上にあるため、最初は少し階段を上ります。少なくともスニーカーなどの歩きやすい靴で来たほうがいいでしょう。階段の下には杖というか竹の棒が置かれています。「ご自由にお使いください」とあるので、これを使わせていただくと楽かもしれません。
永源寺の住所・拝観時間など
公式サイト:https://eigenji-t.jp/
住所:滋賀県東近江市永源寺高野町41
電話番号:0748-27-0016
営業時間:9:00~16:00
※紅葉ライトアップなどが行われる場合の時間は公式サイトで確認
参拝支納料:大人500円、中学生以下無料
京都市街から永源寺へのアクセス
名神高速道路を名古屋方面へ。八日市ICで一般道に降り、八日市IC交差点を右折し、国道421号線(八風街道)を三重県方面に道なりに走る。京都からの所要時間は約1時間10分。
永源寺周辺のスポット
永源寺の近く、クルマで約10分程度の場所にある「永源寺 八風の湯」は、日帰り温泉、岩盤浴、お食事、宿泊ができる温泉施設です。売店もあるので、お土産を買うのにもおすすめ。
平日17時以降限定の入浴&食事がセットになったコースもあるので、これを利用して食事まで楽しんでから帰るのもいいかもしれません。
おいしい「幻の銘茶」を求めるドライブはいかがでしょうか?
今回お土産に購入した政所茶のティーバッグを飲んでみたところ、いい香りとくせのない味の、とても美味しいお茶でした。煎茶にありがちな苦味などもなく、するっと喉を通っていきます。口に残る後味には、ほんのり甘みを感じます。
なるほど、このお茶を熱さを変えて出されたら、秀吉もにっこりするはず……!と納得。
これはいいお茶とドライブスポットを知ったぞ、とうれしくなったできごとでした。
さて、今年の八十八夜は5月1日。そろそろ新茶の時期がやってきます。
今回の政所茶はもちろん、宇治茶なども美味しい時期がやってきます。ぜひ、新茶と新緑を楽しみに茶所へレンタカーでドライブしてみてはいかがでしょうか。
スタッフ一同、ご予約お待ちしております!